事業名称 | 高齢者チャレンジプロジェクト |
申請部門 | 最優秀LOM持続可能な開発目標プロジェクト |
申請LOM | 公益社団法人 呉青年会議所 |
理事長名 | 糸谷 知剛 |
申請担当者 | 小田 晃士朗 |
携帯番号 |
090-6984-7019
メールアドレス ko.ko.wo.kohshiroh@gmail.com
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事務局住所 | 広島県呉市本通4丁目8番12号呉商工会議所ビル南館内7F 704 |
本事業の参加者 | 会員数 : 41 名 参加率 : % 関係者数 : 283 名 一般参加数 : 635 名 |
事業実施に至った背景 | 広島県呉市は人口15万人以上の都市で高齢化率が日本トップクラスの都市です。呉市人口ビジョンによれば、2040年には人口の約40%が65歳となります。専門家が実施したアンケート調査によると、「生きがいがある」と答えた人の割合は約半数しかいません。高齢者への調査の結果、健康面や精神面で不安に感じることとして「友人など他者との関わりによる社会的役割の低下」が59.5%と最も高くなっています。 健康面や精神的に充実しておらず、人とのつながりも薄い生活。これらの理由により自殺率、孤独死の割合が年々増えている現状も大きな問題の一つです。厚生労働省の調べでは、自殺者の約43%が70歳以上の高齢者であるという寂しい事実があります。 また、日本で発生する孤独死は年々増加しています。2018年の東京都区部では、65歳以上の孤独死は3,867件も発生しています。地方都市においても同様に増えてきている現状があります。 |
事業の目的 | 高齢者が活き活きと生活できるようになるため、呉市と協力し、下記3点を目的に活動を行いました。 1.人とつながる場を増やす 人口が減少し、高齢化が進む呉市。JCI呉は、呉市と協力して全域を対象とし、デジタルを活用したつながりをつくり、孤立することを防ぐことで高齢者の精神的な不安感を取り除く環境を作ります。 2.心身の健康から活力を生み出す 高齢者は老齢化によって体力が低下しています。高齢者の活力を生むには健康促進が必要です。JCI呉は、多くの方が参加しやすいけん玉を使い、心身をアクティブにする活動を行います。 3.生きがいを見つける 呉市の約50%の高齢者が「生きがいがない」と答えています。これは日本の平均より高い数値です。JCI呉は高齢者の自身の経験を生かす機会や新たな試みを多くの人々と共有する機会を作ることで、社会的役割を得て生きがいを持てる機会を提供します。 |
事業の概要 | 高齢者が人との繋がりを作り、健康を維持し、生きがいを見つける事業を4つのプログラムに分け実施しました。 ・ファーストステップ 呉市が管轄する地域8か所を事業会場とし、各会場の音声と映像をZOOMでつなぎ、けん玉とLINEの使い方講座を行いました。 参加者全員がけん玉を使い、体を動かす姿の写真・動画を撮り、事業公式LINEアカウントで共有しました。 ・セカンドステップ 1か月間で地域8か所をまわり、新たな参加者を交え、けん玉の再練習やLINE操作のフォローを行いました。 ・サードステップ これまで練習した成果を発表する場として、ファーストステップ同様、地域8か所で会場を設置し、各会場をZOOMでつなぎ、イベントを実施しました。 ・フォースステップ 当プログラムから、生きがいや、人と繋がる楽しさを見つけた高齢者が、地域の福祉施設や保育施設等へけん玉をレクチャーする機会をつくり、自ら社会的な役割を得ました。 |
開催期間・ タイムスケジュール |
2022年5月8日(日) ~ 2022年8月31日(水) |
開催場所 | 呉市包括支援センターが管轄する地域8か所 |
事業区分 |
新規
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公益・共益区分 |
公益事業
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事業総予算・収支 | <予算上の工夫> 呉市と共催することで、まちづくりセンターなど呉市にある公共施設会場8会場(411,200円)アリーナ(429,900円)を減免できた。また共催することで呉市の公式LINE、Facebook、TwitterのSNS広報物などに無料で掲載することで登録者数約28,100人に対して無料で広報を行えた。 その結果、期間において会場費用 合計841,100円を削減することができた。また、当事業で使用するけん玉は400個全て無償で借りることができた。 LINEとZOOMという無料のツールを使うことで予算を抑えることができた。 <予算内訳> |
SDGsの該当項目 |
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協力団体 | 共催: 呉市
協賛: 後援: その他: 呉市全域包括支援センター(8箇所)/呉市立呉高等学校/呉商業高等学校/音戸高等学校/呉青山高等学校/呉工業高等専門学校/呉昭和高等学校/呉宮原高等学校/呉港高等学校/清水ヶ丘高等学校/広高等学校/呉工業高等学校/広島国際大学/理学療法士会/呉市介護事業通いの場/一般社団法人グローバルけん玉ネットワーク/株式会社中国放送 田村友里アナウンサー/株式会社ジャネス(docomo)/株式会社ビルックス/木材利用センター |
事業対象者 | 呉市の65歳以上の高齢者 7万6千人 |
行動(ACTION TAKEN) | 【事業の調査】 呉市高齢者の活動実態を調査し、地域の過疎化やコロナ禍の影響、そして身体的精神的な状況から外出頻度が減少していることが分かりました。また、呉市との事前協議のなか、高齢者と地域包括支援センターをつなぐICTを活用したネットワークの必要性を認識しました。 【立案・会議の流れ】 【実施活動】 |
結果(RESULT) | 1.目的がどのくらい達成できたか 参加者にアンケートを行った結果【楽しさを実感できた100%、挑戦することで生きがいをもてた96.9%、LINEやけん玉をきっかけに人とのつながりをもてた90%、社会活動への参加意欲をもてた86.2%】という回答を頂いた。 2.上記の結果の想定外の結果 3.上記の結果の確認方法 4.検証結果 |
地域社会への影響 | ・高齢者が地域や人との繋がりから明るく前向きに生きがいを持つことが可能となりました。 ・ICTについて、楽しく体験した頂くことで参加した高齢者のデジタルに対する苦手意識を取り除くことで、デジタルデバイドの解消につながった。その結果、事業の中で多くの参加者が呉市公式LINEに登録し、SNSから行政の情報やサービスなどを取得する高齢者が増えました。 ・呉市の各包括支援センター管轄の団体(貯筋グループ、サロン)にて、新たな健康促進のツールとしてけん玉健康体操を取り入れられました。 ・交流イベントやボランティア活動がコロナ禍において減少していました。しかしそのような中、福祉活動に積極的に参加したい高校生、大学生に高齢者との交流の機会をつくることがでたと同時に、地域における課外活動を推進する学校の教育機会をつくりました。 |
LOMへの影響 | ・呉市と共催で事業を実施したことで、呉市とさらに強い関係を構築することができました。 ・呉市の公式FacebookやHPに掲載されることで、呉市民へのJCIの認知度を高めることが可能になりました。(呉市公式SNSに掲載。Facebook登録者6,600人、ツイッター登録者4,200人) ・事業に市長が来てくれたことで、今後のJCIの活動にも大きな協力を得られることが可能となりました。 ・各地の自治体や呉市の高校、大学と繋がることで、JCIの知名度をあげることが可能となりました(学生ボランティア160名参加)。 ・様々なメディアに取り上げられ認知度が上がりました。(地元紙発行部数53万9,054部、地元ラジオ放送で548万世帯に告知。地域タウン情報誌発行部数16,000部) ・今まであまり取り組んだことのない問題のターゲット、高齢者と直接関わることで理解が深まりました。 |
事業の長期的な影響 | 市がLINEの活動を次年度から実施するため、計画策定がはじまりました。その予算はLINEを高齢者に指導する費用として検討中です。加えて、高齢者グループ同士の連携にLINEを推奨し、新たな連絡システムを構築する予定です。 これでJCIが関わらなくてもプロジェクトが自走し、高齢者が繋がりを増やし、そこから元気に前向きに生きる高齢者を増やすことができます。 事業後に、生きがいとして高齢者がけん玉を使いボランティア活動を始めました。また、外部団体(社会福祉協議会)が開催する健康サロンの講師として登録する高齢者も現れ、社会的役割を得ました。 この活動を推進することで、SDGs3 を達成し、その結果 SDGs11 高齢者が繋がりから健康を維持することができ、自分の生まれ育った地域で長く住み続けることができます。この活動が継続されるように多くの団体と活動することができ、SDGs17 の達成につながったと考えます。 |
考察や推奨 | デジタルが苦手であり敬遠している高齢者が多いと予想していましたが、デジタルの利点や楽しさを知ることで、参加した多くの高齢者が積極的にスマホを活用するようになりました。また、親族ではなく他人だから逆に聞きやすいといった高齢者も多く、覚えるのが難しいからあきらめるということでなく、聞きたいけど機会がないことを理解する必要もありました。今後は、ICTの良さを理解した高齢者たちが、LINEを活用し繋がりの輪を広げていきます。その中で実際にLINEやけん玉を教える社会活動を展開する団体も現れました。今後のアクションとしては、LINE以外のSNSを活用し、個々が世界とつながる手段も体感してもらうことでより大きな効果につながると考えます。この度、市と共催することにより、これらの情報を行政に蓄積することができました。この結果をもとに、市のICTを活用した高齢者政策が展開されることが期待されます。 |
改善点 | |
JCI活動計画の推進 | ・インパクト 高齢者369人に対して前向きに生きられるような繋がりを作りました。 コロナ禍で外出を控えていた高齢者に対し、デジタル上の新しい繋がりを構築しました。 ・モチベート 高齢化社会という問題に対し、世界の見本となる事業であり、高齢者のみならずJCI呉のメンバーをポジティブチェンジさせました。 ・インベスト 合計予算200万円を事業に投資しました。 ・コラボレート 呉市、社会福祉協議会、地域包括支援センター(8箇所)呉市内の高校11校、大学1校 ボランティア団体 20団体 有名なけん玉プレーヤー2名(グローバルけん玉ネットワーク) ドコモ ・コネクト ラインとZOOMを使い、8地域をまたぎ移動の難しい高齢者と高齢者が繋がりました。 高齢者と社会福祉協議会、ボランティアの若者同士・子どもと高齢者、協力団体と高齢者ボランティア団体が繋がりました。地域の社会活動を実施する高齢者グループと地元の幼児教育機関が繋がりました。 |
JCI VISIONの推進 | 呉市と共催で事業展開を行い、呉市社会福祉協議会や呉市包括支援センターが管轄する各地域の健康促進団体をデジタルネットワークで結び、高齢者同士の繋がりの輪を広げました。また市内にある高校大学から協力を得ることで学生が福祉ボランティアを体験する機会を提供しました。コロナ禍において若者と高齢者など多世代が直接交流することにネガティブであったが、この機会を通して活発な繋がりが生まれました。また、このことにより学校と呉市が継続的な協力関係を築くきっかけをつくりました。JCメンバーにおいては、約4か月にわたる事業参加によって、普段関わりを持つ機会が少ない高齢者と、継続的な繋がりを持つことができました。そして事業協力して頂いた社会福祉協議会の職員の方が、我々の本事業が終了しても見聞を広めたいと、呉青年会議所の例会に参加するなど、相互の関係がより強くなりました。 |
JCI MISSIONの推進 | JCI呉のメンバーはボランティアに取り組む呉の学生160人をリードする役割を担うことで、若者の地域貢献への意識をより高め、今後の地域貢献活動の機動力として一緒に活動する事が期待できるようになりました。
すでに趣味や人生の目的といった生きがいを持つ参加者や関係者がおり、明るく活力ある社会活動を送っていた。そのような方とも交流することで、メンバーが自信をもって地域活動に参加できるようになりました。 まち事業でよくある若年層をターゲットとしたものではなく、高齢者を対象としたこと、そして、ICTを活用して実施会場を8か所に分散して行ったことは新たなチャレンジであり、コロナ禍でもテクノロジーを使いながら密を避け、工夫することで事業ができることを学びました。加えて、実施会場を分散することになり、メンバーの役割範囲が広がり、より主体的に取り組みました。 |
JCI申請の意思確認 |
検討している
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その他 | 【ロールモデルとなった】 ・当事業が評価され、次年度に行政として政策化する予算の検討を始めました。その予算は、LINEを高齢者に指導する費用、そして、高齢者団体同士の連携にLINEを推奨し、新たな連絡システムを構築する予定であると聞いています。私たちの手を離れても、ICTを活用した高齢者の生きがい、健康づくりが継続されることは、ロールモデルとなったと評価できる。 【その他アピール】 ・行政としっかりと会議を重ね信頼関係を築いた。結果、約4か月間、市と共催し事業展開を行ったこと。 ・学生ボランティア160名の参加。未来のJCメンバーへの認知度が向上した。 ・講師に85歳のプロのけん玉プレーヤーを起用することで、何歳でも挑戦すれば何でもできるという気持ちにさせた。 ・このプロジェクトを推進することで元気な高齢者が増え、呉市、そして介護保険という国の財政を圧迫することを防ぐことが可能となります。 |
当日のストーリー写真(PDF) | 20221228103508 |
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